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夢舞台でもっと大きな夢を。21歳ウォーレンボスアヤコがサンウルブズで溌剌


サンウルブズの練習で声を出すラーボニ・ウォーレンボスアヤコ(撮影:松本かおり)

 原石発掘。シンデレラストーリーの始まり。スポーツファンがわくわくするような文言がぴったりの人だ。

 ラーボニ・ウォーレンボスアヤコ。フィジー人を父に持ち、オーストラリアのシドニーで生まれ育った21歳だ。身長190センチ、体重108キロの大型NO8で、文句なしの突破力を売りにする。40メートルを5.1秒で走るスピードは、スタンドを沸かせるには十分。簡潔。アメリカン・コミックの主人公のようだ。

 国際リーグであるスーパーラグビーの2017年度シーズン、日本のサンウルブズの一員となった。しかし1年前のいまごろは、まだプロになったことさえもなかった。20歳まで、出身地のサザン・ディストリクツというクラブでさらなる出世を期していた。

 初めて契約書にサインしたのは、日本のNTTコムに入った2016年だ。その年の10月16日、埼玉は熊谷陸上競技場でデビューを飾った。

 国内最高峰のトップリーグは第7節で後半7分から登場するや、タッチライン際の快走でトライを演出。試合終了間際には、接点へ身体をねじ込み相手の猛攻をストップした。トヨタ自動車戦に19−13で勝利。あるスタッフに「チームが彼の将来性を買ったんです。いま、ラグビーを勉強しているところです」と将来を期待された。

 そのまま計5試合に出て、世界上位のサロンに招かれたのである。

「本当にエキサイトしています。学べる、成長できる最高の機会を与えていただいたと思っています」

 2月に都内でおこなわれたサンウルブズの合宿中、溌剌(はつらつ)と語る。例えばチームの主将となったエドワード・カークは、自分が10代の頃からスーパーラグビーでプレーしていた選手だ。ヘッドコーチであるフィロ・ティアティアは元ニュージーランド代表の突進役である。

 英雄たちとボールを追いかける。

 ボスアヤコとしては、少年時代の夢を大人になって叶えた気分だろう。

「昔から憧れていた人が目の前にいて、一緒にプレーできることが夢のようです」

 サンウルブズではウィリアム・トゥポウら、同じ環太平洋系の選手に手厚くサポートされる。練習中の立ち位置などのアドバイスを受け、「説明の仕方もすごく上手で、きょうだいのように接してくれます」と笑う。NTTコムの主将でもあるサンウルブズのFL、金正奎が「ポテンシャルは高い。彼自身の良さを発揮して欲しい」と話すかたわら、当の本人は「本当に、エキサイトしています」と強調する。

「アタッキングラグビーを観て欲しいです。とにかく学びたい。上手くなりたい。一番いいNO8としてプレーできたら」

 サンウルブズでの成長、活躍次第では、ナショナルチームも視野に入ろう。居住3年以上でその国の代表になれるという楕円球界のルールのもと、オーストラリア代表と日本代表のどちらに選ばれたいか…。現時点での本人の意思は、こうだ。

「いまのところ、日本が多くのものを与えてくれている。日本代表で、プレーできたら」

 生来のインパクトを80分間、貫けるか。前年度わずか1勝だったサンウルブズに、多くの白星をもたらせるか。いくつものミッションをクリアした先には、より大きな「夢」が広がる。
(文:向 風見也)

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