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【関東大学リーグ戦1部】流経大が劇的勝利。優勝は得失点差で東海大に


後半11分、好フォローからトライを奪った流経大のLO鶴田大成(撮影:長岡洋幸)

 11月27日、秩父宮ラグビー場で関東大学リーグ戦1部の最終節2試合がおこなわれた。第1試合で大東大が中大を64−21と破り1敗で終えると、第2試合で流経大が無敗の東海大をロスタイムのPGで29−26と破り、3校が1敗で並んだ。リーグ戦の規定により、3校間の得失点差で東海大が1位、流経大2位、大東大は3位となり、大学選手権に向かうことが決まった。

 東海大対流経大のライバル対決は近年、下馬評の低い方が勝つという不思議なカードだ。今季はすでに1敗している流経大が意地を見せた。前半を7−7で終えると、後半は流経大がペースを握る。これまでは個人に頼りがちで淡泊な攻撃が多かったが、全員で継続する意志が伝わる。

「大東大に負けたことで、自分たち自身にフォーカスできました。とにかくボールをキープして勝負していく。このチームがどれだけできるのかを明確にしたかった。今日はそれがはまりましたが、ディフェンスでもチームとしてできたのは大学選手権に向けていい経験になりました」と流経大、廣瀬直幸主将。

 後半7、11分と連続トライを挙げて21−7とリードした流経大。実はこの試合を14点差以上で勝った場合リーグ戦優勝に届く。廣瀬主将は「それよりもチームにとっては東海に勝つことが重要でした。意識してはいけないので、(14点差は)口に出さなかった」と振り返る。

 試合は終盤にもつれる。38分には流経大のタッチキックをクイックスローインした東海大。その速攻からNO8テビタ・タタフが左隅にトライを挙げると、この日復帰したFB野口竜司が難しい角度のゴールを決めて26−26。ロスタイムは勝ち越しを狙う両校が激しくボールを奪い合う。最後は左中間40メートル付近から流経大SO東郷太朗丸がPGを決めて29−26と勝利をもぎ取った。
「ボールをキープしていけば自信はありました。大東大戦よりもひとつレベルを上げられた。この先の選手権にはいい試合となりました」と流経大、内山達二監督。

 敗れた東海大は、ラインアウトでミスが続き、これまで苦しい時に頼りになったスクラムで押せても、反則を奪うまでには至らなかった。「(ラインアウトは)スカウティングされて、その精度で少し足りなかった。スクラムにはプライドもありますが、相手も強かったので押しきれなかった。ディフェンスから流れをつかんでいく自分たちのラグビーを出せませんでした」と東海大のLO李昇剛。

 流経大が驚異的にボールをつないだが、それと同じぐらい東海大もタックルに入った。ただ、その直後のボール争奪戦でミスや反則が出て、ボールを奪い返すことができなかった。「これまでの強みを出せなかった。個々のファイトの差に尽きます」と東海大、木村季由監督。

 それでも、怪我からFB野口、WTBアタアタ・モエアキオラが復帰したのは好材料。そして、FWのサイズ不足をスピードや工夫で補い、フィールド全体を使ってトライを狙うラグビー自体が陰ることはない。LO李、川瀬大輝のフィットネスと仕事量は誇れる部分で、この日発表されたリーグ戦ベスト15に名前がないのは疑問点が残る。FW前5人が対戦校と大きな違いを見せつけてきたチームなのだ。

 また、第1試合では大東大が破壊力を見つけた。SO川向瑛主将、アマト、タラウのファカタヴァ兄弟が復帰。前後半で10トライを奪うなど、全国大会に向けて大きな弾みとなりそう。また、今季目立っているひたむきなタックルは健在で、そこでボールを奪うと一気に走り切れるランナーが多いのもこれから脅威になりそうだ。

「久々の選手もいて、攻守ともに精度が課題ですが、これから良くなる部分でしょう」と青柳勝彦監督。FL湯川純平は「ディフェンスは隣といかにコミュニケーションを取るか。そのためにも普段からアマトらと話すようにしています」と話す。自身はラインアウトジャンパーとしてもクリーンキャッチを連発して、勝利に貢献。「身体が小さいので、スピードで勝負するしかない。ディフェンス、アタックともにリアクションスピードが生命線です」とも話した。

 敗れた中大は昨日、法大が敗れたことで4位が確定して、大学選手権出場は決まっている。敵陣ゴール前で組み直すモールの精度も上がり、地域と時間帯で何をすべきか整理されている印象。ただ、後半は防御面でファーストタックラーが外されることが目立ち、チームディフェンスにも課題が残った。「今日はチャレンジャー。低いディフェンスなど、中大としてやれることを出すつもりでしたが、大差になってしまった。もう一度、今年の強みをぶつけられるようにして、選手権に臨みたい」と中大、松田雄監督。

 大学選手権にリーグ戦から出場する4校は、どれも個性的だ。最終節の試合が象徴するように、15人の気持ちがひとつになれば、驚くほど力を発揮するのもリーグの個性かもしれない。
(取材:福田達)

■2016年度 関東ラグビーフットボール連盟
1部 ベスト15

1 三浦昌悟(東海大B)
2 日高将吾(東海大C)
3 具 智元(拓大C)
4 牧野内翔馬(法大C)
5 ナエアタ・タウムア(流経大B)
6 磯辺裕太(東海大C)
7 廣瀬直幸(流経大C)
8 デビタ・タタフ(東海大A)
9 小山大輝(大東大C)
10 川向 瑛(大東大C)
11 ホセア・サウマキ(大東大C)
12 笠原開盛(中大B)
13 鹿尾貫太(東海大B)
14 アタアタ・モエアキオラ(東海大A)
15 大道勇喜(大東大C)
2
リーグ戦優勝は決めた東海大(撮影:長岡洋幸)

3

大東大LOタラウ・ファカタヴァが前に出る(撮影:長岡洋幸)

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