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「ていねいに」 東福岡高校、全試合完封圧勝で九州制覇!

全九州高校大会決勝で佐賀工のディフェンスを突破しようとする東福岡のCTB堀川優
(撮影:湯浅芳昭)


「2年前に3冠を獲ったときよりも仕上がっている」と東福岡の藤田雄一郎監督は言った。今季高校ラグビー界の本命とみる人は多い。5月のサニックスワールドラグビーユース決勝で南アフリカのチームに敗れ、目標として掲げた5冠には届かなくなってしまったが、冬の花園へ向け、着実に進化している。
 6月18日から21日にかけて長崎市で開催された全九州高校大会で、1回戦からすべて無失点に抑え、完全制覇で2年連続13回目の優勝を遂げた。九州学院(熊本)に83−0、大分舞鶴には80−0と圧倒すると、決勝では佐賀工業を47−0で退けた。佐賀工は強力FWがドスン、ドスンと激しくぶつかり、束になって前へ出ようとしたが、東福岡はビクともしなかった。

「チームの形として特にディフェンスが仕上がっている。だから、仕上がっているときこそ、ていねいにラグビーをしよう、というのは今大会を通して言ってきました」と藤田監督。「ディフェンスは練習したからといって急には変わらない。これまでやってきたこと、約束事を守り続けることがディフェンスでは大事なことです。去年の選手が半分残っているし、土台にはフィジカルからくる自信がある。『俺たちは体が強い』と。彼らはすごいトレーニングをしてますよ。体を大事にして、トレーニングをして、しっかり食べて。ここにいる(九州大会に参加した)25名は体が張れる選手たち。コンタクトが強くないとウチのラグビーはできない。決勝でも、全然バテていなかったですね」

 ワールドユースで南アに完敗し、フィジカルの部分でまだまだ足りないと思ったという。プレーの精度を高め、ミスを減らしていくことも今後の課題だ。佐賀工からは7トライを挙げたが、取り方に不満な部分もあった。
「このレベルではミスがあっても取れてしまう。でも、ちゃんと原理原則のところで崩して、ここが空くからここにボールを運んでトライ、というふうにならないといけないですね」

 花園をにらみ、藤田監督からは昨年度3冠を遂げた東海大仰星(大阪)の名前が出た。「すごくいいライバル。仰星もいいラグビーをしている。でも今度はウチが獲る」
 王座奪還へ向け、小さいことをていねいにやっていくつもりだ。足をすくわれないように。夏は、全国7人制大会優勝と、FWは平均体重100キロをめざす。「フィジカルを徹底的に鍛えていく。やれることを探してやっていきます」と43歳の指揮官は言った。

 一方、佐賀工は序盤から激しくぶつかったものの、強みのディフェンスも、束になって前へ進もうと試みたアタックも通用しなかったと、キャプテンのSO龍野光太朗は厳しい表情で言った。
「前半は気持ちが充実していて、体力もあった。でも後半は……。自分たちが後半も気持ちや体力の面で相手を上回れるかというのがこれからの課題だと思います。東福岡とはフィジカルの差をすごく感じました。体の違いが一番大きいかなと思う。自分たちが冬に勝てるかどうかは今年の夏にかかっているので、チーム全体で夏に強くなれるようがんばります」

 なお、2位ブロックは同じく福岡県の東海大付属福岡(旧校名:東海大付属第五)が優勝した。こちらも、決勝では海星(長崎)をノートライに封じ、38−9で制している。
 前半はミスが多く何度か好機を逃したが、ディフェンスへの意識は高く、流れを呼び込んで後半に差をつけた。LO小杉龍希、NO8小杉龍斗の双子(ともに身長186センチ、体重105キロ)など恵まれた体格のFWが数人おり、楽しみなチームだ。
 全国大会へ行くには東福岡という巨大な壁を乗り越えなければならない。6月5日の福岡県大会決勝では0−81で完敗しており、「あのときの悔しさはある」と笠松高志監督は言った。
「東福岡以外には負けられない。それは、(九州大会では)選手もちゃんと意識していました。ようやく質が上がってきたなという感じです。東福岡はサイズもあって運動量もある。フィジカルをもっと強くしないと、本当に通用しない。夏場はしっかり走らないといけない。フィジカルとフットネスはこれからの大きな課題だと思っています」

 全国の頂点をめざして進化し続ける東福岡。彼らの背中を追いかけて、九州各校の選手たちもまた、たくましく成長していく。

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圧倒的強さで九州大会を制した東福岡高校(撮影:湯浅芳昭)

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