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釜石、花園…W杯開催地決定に熱い思い。福岡はキャンプ誘致にNZを熱望

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RWC2019のアンバサダーで、釜石シーウェイブスのディビジョンマネージャーも務める桜庭吉彦さん。
試合開催地に決まった釜石市を指さし、笑顔(撮影:松本かおり)


 4年後に熱狂するスタジアムに視線が集まった。3月2日、2019年に日本で開催されるラグビーワールドカップ(RWC/第9回大会)で試合がおこなわれる開催都市が決定。当日はワールドラグビー(旧IRB)の本部があるダブリンでラグビーワールドカップリミテッド(RWCL)が理事会を開催し、試合地を決め、発表した。

 都市名を読み上げたのはRWC2019組織委員会の嶋津昭事務総長だった。同総長は立候補した15都市すべてが開催するに相応しかったとした上で、「RWCLからは10都市(での開催が効率的で)が相応しいとアドバイスを受けていたが、最終的には我々の考えと一致した。運営機能と都市基盤、設備、レガシー、盛り上がりなどすべてを踏まえて考えた結果」と話し、12都市を北から発表していった。そして最後は、こう言った。
「ベスト・オブ・ベスト。ワールドカップはみんなで考え、みんなで作り上げるもの。選ばれなかった都市も一緒になり、ラグビー・フォー・オールの精神で大会を盛り上げましょう」

 日本国内の各地でも、関係者が様々な形で発表の瞬間を心待ちにしていた。御手洗冨士夫RWC2019組織委員会会長、森喜朗同副会長らが出席した東京の記者会見場には多くの報道陣が詰めかけた。
 御手洗会長は「これで本格的に動き出すことになる」とし、「宣伝活動をもっと活発にし、オールジャパンで成功に向けて取り組んでいきたい」と話した。森会長は2003年のワールドカップで当時の町井徹郎会長(故人)がワールドカップへの思いを表明し、動き出した12年前のことを回想。あの熱意がいまにつながっていることをあらためて紹介した。同副会長は質疑応答の際には、15候補都市を12都市に絞り込む途中で当落を分けたものは何かと問われ、次のように答えた。
「RWCLの視察の方たちが各地を見て回りました。その際、それぞれに温度差はあったと思う」
 スタジアムのシートが長椅子状のものについて、一つひとつ独立したものにできないかとのリクエストに「そんなお金は…」との回答。多方向から見られるように複数のビジョンが必要だという指摘に「まだ新しく(ひとつ)設置したばかりなので」と言葉を濁したところ。手を挙げたものの、実はあまり熱意がなかったところもあった。
 そういう減点法で決めていけば、合格点かどうかというところも確かにあった。
「地域の熱意や歴史なども含め、この地域を外すわけにはいかないというところは知っておいてほしいと、私たち(組織委員会)側から事前にRWCLに伝えてもらったものもあります」
 その結果が12都市だった。

 東京の記者会見場には、RWC2019のアンバサダーを務める元日本代表たちもいた。
 新日鐵釜石でプレーし、現在は釜石シーウェイブスのディビジョンマネージャーを務める桜庭吉彦さんは、「(開催地に)決まったことは嬉しい。しかし、大きな責任を感じる」と胸中を語った。
「被災地で試合をする。他の開催地とは明らかに背景が違う。釜石でやることの意義、釜石ならではのものを世界へ発信していきたいですね。私が住む場所の近くにも、まだ仮設住宅で暮らしている方々が大勢います。いろんな意見もあるのはわかっています。しかし、(やることが)決まったからには、被災地全体で取り組み、被災地全体が復興に向かって行くための力になるようにします」

 花園ラグビー場から歩いて10分ほどのところに実家があり、高校ラグビーの聖地を常に感じながら育った元木由記雄さんは、「ホンマ嬉しいですわ」と笑顔を見せた。
「高校生や子どもたちが世界を身近に感じられるようになりますね。花園(全国大会)に出た選手たちは、ワールドカップの舞台となる場所に自分たちも立っている、と感激するでしょうね。そういう気持ちは、とても大きなパワーになると思いますよ」

 ジュニア世代から楕円球に親しむ人が多く、高校ラグビーが盛んな福岡市も開催地に選ばれた。2012年には世界中の35歳以上のラグビー愛好家たちが集う「ゴールデンオールディーズ・ワールドラグビーフェスティバル」を開催して“おもてなし”が評価され、今回の招致活動も約2か月間で10万人の署名を集めるなど、ラグビー熱は高い。2日夜の開催地発表生中継を視聴する会には関係者だけで80名、会議室いっぱいの人が集まり、「福岡」の名前が読み上げられた瞬間、大歓声に包まれた。

 ラグビー好きで、スタジアムにもよく足を運ぶという福岡招致委員会副会長の小川洋・福岡県知事は、「手に汗を握るとはこのことか、という思いで発表を見守っていた。本当に嬉しい。2019年に、福岡にラグビーワールドカップが来る。県民、市民の盛り上がりが必要になってくる。これまでもいろんな機会で、ラグビーの楽しさ、すばらしさを伝えてきたが、もっとシステマティックにしっかりPRしていきたい」と、喜びと意気込みを語った。

 同じく福岡招致委員会の副会長を務める高島宗一郎・福岡市長は、経済的な側面も期待している。「ラグビーワールドカップは開催期間が長く、福岡でラグビー観戦をして、その前後に街を周遊していただける。幸い、九州に関してはJRのクルーズトレインも始まり、観光面で『九州はひとつ』という盛り上がりが非常に出てきている。ラグビーワールドカップの開催地には福岡市だけでなく、熊本と大分も選ばれたということで、九州一帯を回遊していただけると思う」

 そして、福岡招致委員会の末吉紀雄会長(福岡県商工会議所連合会会長)はキャンプ地の誘致にも強い意欲を見せた。「福岡市とオークランドは姉妹都市なので、できればニュージーランドのチームを誘致したい。いまから、知事、市長と一緒になって、ぜひ、キャンプ地の誘致をしたい。もし成功すれば、(オールブラックスが)まるまる1か月間、福岡にいることになるので、世界中のファンが練習を見に来られ、大変な行事になると思う。次の行動に移っていきたい」とコメントし、その積極的な言葉に、会見場では再び拍手が起こっていた。

 本当の成功への道は決して平坦ではない。しかしこの日、多くの人たちがあらためてパワーをもらった。それをもっと大きくし、国全体にムーブメントを広げていくことが不可欠だ。

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開催地決定を祝う福岡招致委員会の関係者。
中央が末吉会長、左隣が小川県知事、右隣が高島市長


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