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関西学生代表がNZ遠征へ DEMI comes back to Christchurch with his boys.

直前合宿初日に記念写真におさまる関西学生代表


 関西学生代表(選手27人、スタッフ6人)が3月15日から26日まで、12日間の日程でニュージーランド(NZ)遠征をする。
 南半球は日本と真逆で秋。ラグビーシーズンを迎えようとしている。

 チームはスーパーラグビー、クルセイダーズの本拠地である南島のクライストチャーチを拠点に、18日にリンカーン大とオタゴ大連合、21日にはカンタベリー大、24日にはカンタベリアンズと計3試合を行う。

 NZの大学クラブは会則に従い、会費を払えば一般人も参加できるため、チームは社会人たちと対戦する可能性も高い。
 特に最終戦となるカンタベリアンズは通常、カンタベリー州代表として50試合に出場した選手のみで組まれるため、ツアー中一番の強豪だ。カンタベリー州は昨年10月のNZ地区対抗戦「マイター10カップ」で13回目の優勝を決めている。
 試合は、AMIスタジアム(クライストチャーチ)で行われるクルセイダーズ対フォース戦のカーテンレイザー(前座試合)となっており、注目されるのは間違いない。

 チームは13日から大阪府熊取町にある大阪体育大で直前合宿に入った。監督の小松節夫(天理大監督)には感謝がある。
「ありがたいよね。こういう遠征を組んでもらって。選手たちにとってはいい経験だし、間違いなく成長するもんね」

 今回の選手たちは、関西リーグ以外にも、関西協会所属の東海、北陸、中四国をセレクターが視察し、セレクションコミッティー(セレコン)や関西大学リーグ委員会などとの協議の末選ばれた。
 セレコンの一員で、総務で参加する長崎正巳(大阪体育大アドバイザー)は話す。
「卒業する4年生とジュニア・ジャパンに選ばれた選手を抜いて、実力で選んだ」
 同時期にフィジーである「ワールドラグビー パシフィック・チャレンジ2017」に、関西からは天理大のPR木津悠輔(新4年)ら7人が参加している。
 現状では最強メンバーである。

 今回の遠征を実現させたのはラグビー殿堂者でもあり、関西ラグビー協会会長でもある団長・坂田好弘である。
 同志社大、近鉄の現役時代、WTBとして日本代表キャップ16を持ち、大阪体育大前監督だった坂田とNZのつながりは濃い。
 74歳の現在でも続いている。
 2015年のワールドカップで、日本が南アフリカを破るまで、語り草になっていた1968年(昭和43)の日本代表NZ遠征に坂田は参加する。23歳以下NZ代表でもあるオールブラックス・ジュニアを23−19で倒した試合では4トライを挙げた。
 1トライ=3点の時代である。

 翌1969年、半年間の無給休暇でクライストチャーチに渡った。快足や内外のステップでカンタベリー州代表、NZ大学クラブ代表、NZバーバリアンズに選ばれた。
 1973年には特例としてカンタベリアンズに呼ばれ、オールブラックスと対戦。黒衣軍団と戦った最初の日本人になった。
「あの時は香港までの飛行機代を日本協会が、そこから先はNZ協会がもってくれたなあ」
 今でも、「オールブラックスにもっとも近かった日本人」と言われている。
 大阪体育大時代には5回のNZ遠征を含め、年1回は現地を訪れた。キウイたちからは「デミ(DEMI)」の愛称で親しまれている。

 今回のカンタベリアンズとの対戦も、坂田の存在なくしてはなかった。
「出発前の今でもメールのやり取りはしている。やることはいっぱいあるからね」
 1000万円以上の遠征費用もねん出できた。遠征メンバーの持ち出しはない。
 坂田は会長就任後、試合会場でのバナーなどと引き換えにスポンサーを募った。昨年度からは近鉄時代、チームメイトだったPR山下俊夫が取締役会長をつとめる物流サービスのムロオから大口の経済支援を引き出した。今回の遠征のため、あつらえたウィンドブレーカーには会社名がプリントされている
「一番大切なことは、予算の裏付けができた、ということや。まずはお金がないと無理。俺の力やあらへんよ。スポンサーのおかげやな」

 読書家の主将・FL野中翔平(新4年生)は坂田の同志社大の直系である。偉大な先輩と知った上で、影響を口にする。
「坂田先生のことはなにかで読んだ記憶があります。そういう方と遠征に一緒に行かせてもらえるのは、すごいことだと思います。それに、今の大学ラグビーは関東が強いですよね。でも、こういうツアーがある、と知ってもらえたら、有望な高校生がもっと関西に残ってくれるかもしれません。そういう意味でも、ありがたいことだと思います」

 関西学生代表にとってはNZを含め、南半球への遠征は初めて。目の肥えたファンをどこまで魅了できるか。それは、野中が言うように関西の大学ラグビーの発展に直結する。
 選手個々の将来にとっても、有意義なツアーにしたいところだ。
(文:鎮 勝也)

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