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退路を断ってコーチ道を進む。二ノ丸友幸の心意気。

御所実を教える二ノ丸友幸プロコーチ。後方左は竹田寛行監督


 退路を断って、コーチ道にまい進する。
 37歳の二ノ丸友幸は昨年9月、クボタを退社した。課長職を投げうつ。
 プロとして、ラグビーのコーチングでお金を稼ぎ、人生を切り開く。
 会社化の前に、屋号は「Work Life Brand」(ワークライフブランド)に決めた。

 二ノ丸は2012年から日本協会のリソースコーチであり、U17、U18日本代表も指導する。それもあってすでに11チームと契約。御所実(奈良)、興国(大阪)などの高校8、高校県代表2、女子1(四国大学)だ。
「こんなにたくさんオファーをいただいていいのかな、という思いが強い。緊張感と責任感と感謝を持ってやらせていただきます」
 今はターゲットをほぼ高校生に絞る。
「人材育成とラグビーが両方できるので」

 契約内容によって週1回以上から、月1回や2回などコーチングの回数は異なる。自分の中ではルールを定める。

@メインは御所実なので、同じ全国8強レベルのチームはお断りする。
A原則として各都道府県1チーム。同一地区での争いを避ける。
B監督ももちろんだが、そのチームのコーチたちと仲良くなる。
Cレベルに応じて指導を変える。姿勢、言動から入る場合もある。
D練習が試合に直結しているかを考える。練習のための練習なら意味がない。
E教育的ラグビーを大切にする。各高校のきまりや校則を優先する。

 経営コンサルタントならぬ、日本初のラグビーコンサルタント的な雰囲気が漂う。
「月1回で何が変わるんや、という人もいると思います。でも僕はそれで結果を残すのがプロやと思っていますから」
 監督よりも、自分と同じ立場であるコーチを大切にするのにも理由がある。
「スタッフがストレスを感じればチームが分解する恐れがある。だから、みなさんと密な関係を築かないといけません」

 御所実は二ノ丸のコーチングの中心にある。それは、56歳の監督・竹田寛行とのこれまで5年間の関わりに負うところが大きい。
 2013年、U17の近畿地区選考会にコーチとして加わった。最終日、参加していた竹山晃暉(現帝京大)たちから御所実での指導を懇願される。翌日、竹田から「コーチ就任要請」を電話で受ける。
「僕は竹山たちと軽い感じで別れました。でも彼らはすぐに竹田先生に要望を伝えてくれました。それで翌日に電話です。びっくりしました。その時はうれしかった。子供たちが縁を結び付けてくれましたからね」

 竹田は「マル」と呼ぶ二ノ丸を高校時代から練習試合などを通じて高く評価していた。
「ウチのやりたいラグビーをマルは具現化していました。SHなのに左右両足で正確なハイパントを上げたり、試合中にしっかりしゃべって意志や戦い方を伝えていましたね」
 竹田は高校時代から15年を経て、チームのスタッフとして二ノ丸を迎え入れる。
「マルは僕にとっての宝物です。例えば、速い展開のためにSHの能力を持った選手をFLとWTBに入れてパスをどんどん出すプランを話します。マルは『おもしろい。やりましょう』と賛成してくれる。知識が豊富で既成概念にとらわれない柔軟性もあるんです」
 二ノ丸は竹田に対して常に感謝がある。
「先生がいて下さったから、先生を信頼してすぐにコーチの仕事がたくさんきました。僕の力ではない。すべては先生のお蔭です」

 二ノ丸はラグビーが大好きだ。
「今でもテレビで1日に1試合は見ます」
 大阪・啓光学園中(現常翔啓光)でラグビーを始める。啓光学園高では3年時(1998年度)に高校日本代表。アキレス腱を痛めたため、フランス遠征は辞退した。同志社大では同部位の痛みに悩まされる。就職したカネカが1年目に廃部を決めたため、クボタに移籍。ケガにより4年で現役引退を決めた。
 社内では法務部、広告宣伝部に在籍。花園ラグビー場のスコアボードの下にある看板設置を担当したりする。
「サラリーマンを経験して、必要なキャリアを積ませてもらいました」
 計15年に渡り、組織の中で拡張された人間力をラグビーで試してみたくなる。結婚5年目の妻・玲奈も背中を押してくれた。

 プロコーチとしての最初の大きな仕事は、開催中の第96回全国大会で御所実に初優勝をもたらすことだ。
 Aシードとして初戦となった2回戦では、尾道(広島)を26−0、3回戦は茗渓学園(茨城)を71−0と退けた。3日の準々決勝で石見智翠館(島根)と対戦する。
「御所は僕が見た4年間の中では一番強いですね。ディフェンスがいい。高校生は僕らもそうだったけど、点数が開けば気を抜いたりします。でも彼らは2試合連続して0に抑えている。素晴らしいと思います」
 10月の岩手国体では単独チームとして、奈良県に32年ぶりの優勝を呼び込んだ。御所実の全国大会最高位は3回の準優勝。二ノ丸は悲願達成に全身全霊をささげる。
(文/鎮 勝也)


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