Player of the week

Hirotoki Onozawa 小野澤 宏時  (サントリーサンゴリアス/日本代表)

 2012年10月27日に福岡・レベルファイブスタジアムで行われた福岡サニックスブルース戦で、サントリーサンゴリアスのWTB小野澤宏時(34歳)がトップリーグ史上初となる個人通算100トライの偉業を達成した。2003年9月13日に東京・国立競技場で幕を開けたジャパンラグビートップリーグ(サントリー×神戸製鋼 戦)で記念すべき第1号トライを挙げた男は、毎年コンスタントにフィニッシャーとしての責任を果たし、10季目でついに金字塔を打ち立てた。


「自分ではあんまり意識していなかったんですけど、先週終わったあたりに、子どもがどうしても(100トライ達成を)見たい、福岡に行きたいと言い出したんです。そんなに毎回獲れるものではないんだよ、と話したんですけど、結局応援に来ることになって、それから、家族からのプレッシャーがハンパなくかかってきてました(笑)」


 小野澤は後半34分すぎ、ゴール前中央の密集サイドにタイミングよく走り込み、SHフーリー・デュプレアからのパスを確保してインゴールへダイブした。
 100トライ達成の瞬間は「解放されたと思いました(笑)」


 トライは、個人技のみで成立するものではない。ボールキャリアとして少しでも前に行って、ボーナスポイントを獲って勝利することが何より大事と自分に言い聞かせた。
「ボールタッチを増やすというか、アタックのシェイプ(型)で、誰かが
ひとりでもサボっていたらシェイプとして成立しないので、トライを獲った場面もそれだけを考えていました」


 トップリーグ初年度に9トライ。翌シーズンからは、7本(04年度)、2本(05年度)、15本(06年度)、13本(07年度)、9本(08年度)、14本(09年度)、15本(10年度)、7本(11年度)、そして今季は8節までに9本を重ねた。毎年コンスタントにトライを挙げる要因は「試合に出ることじゃないですか、まず。怪我しないで。それだけだと思っています」と話す。


 トップリーグで、ベスト15に選ばれたのは7回。2007−08シーズンはサントリーの初優勝に貢献し、リーグ戦とマイクロソフトカップの両方でMVPに輝いた。2009年度と2010年度はリーグ戦トライ王だ。そして、2011年12月4日に熊本で行われたホンダヒート戦で、トップリーグ通算100試合出場を達成している。
 これまでで印象に残っている試合は、4トライを挙げたトップリーグ元年の開幕戦と、100トライを達成した2012年10月のサニックス戦、そして、日本が世界に誇るもうひとりの偉大なるトライゲッター、大畑大介さん(引退)と最後に戦った2010年12月25日の神戸製鋼戦を挙げた。

「(100トライ達成は)ただの結果ですよ。体のメンテナンスをしてくれたスタッフに感謝しています。そして、一所懸命ボールを出してくれるフォワード、つないでくれるバックス、片側のWTBで100個トライを獲れるようなゲームをし続けてきたチームに感謝したいです」


 中央大の後輩でもあるサントリーの真壁伸弥キャプテンは、「試合前に毎回、『全部オレに任せろ』と言ってくれるんですよ。すごく安心感があります」と偉大な先輩を頼もしく思い、大久保直弥監督は「今年、サントリーは“ハングリー”をテーマにしてますけども、彼がここまで来れたのは、いつも向上心を持ってトレーニングやゲームに取り組んでいる、ということが一番だと思います。僕は彼がルーキーのときから知ってますけど、彼が自分自身に満足するということは、現役時代はたぶんないでしょう」と称えた。


 カウントされることから解放される。だがこれからも、「ひとつひとつのことをしっかりやる」というスタンスに変わりはない。ディフェンダーが捕まえづらい独特の走りは、敬意を込めて“うなぎステップ”と呼ばれる。「その呼び名に負けないように頑張っていきたいと思っています。代名詞がつくような選手は少ないですから、ありがたいです」


 11月からは日本代表としてヨーロッパに遠征する。ジャパンにも、小野澤は必要だ。サクラのジャージーを着てプレーした彼のレコードブックを調べても、勝負強さは証明される。
 2001年6月17日に東京・秩父宮ラグビー場で行われたウエールズ戦で日本代表デビューを果たし、早速トライを獲得。ワールドカップは3大会に出場し、2003年のスコットランド戦、2007年のウエールズ戦、そして2011年大会は世界最強軍団オールブラックスからもトライを奪った。
 さらに、2012年アジア5カ国対抗の香港戦で51トライ目をマークし、テストマッチでの通算獲得トライ数は、元ニュージーランド代表のWTBダグ・ハウレットや元イングランド代表WTBロリー・アンダーウッドを抜いて、世界歴代単独4位に浮上した。
 これまで重ねた日本代表キャップ数は「74」。神戸製鋼でも活躍したレジェンド、元木由記雄さんが持つ「79」キャップまであと5つと迫っている。

 


【選手データ】

ポジション: WTB/FB
生年月日: 1978年3月29日(34歳)
出身地: 静岡県島田市
身長: 180p  体重:85kg
所属: サントリーサンゴリアス
競技歴: 静岡聖光学院中学校(12歳)→ 静岡聖光学院高校 → 中央大学
→ サントリー(13年目)

 

【国代表】
デビュー: 2001年6月17日(対ウエールズ)
CAP: 74(日本歴代2位)
トライ: 51 (世界歴代4位)

 

※ 記事内のデータは、2012年10月28日現在

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